2005年04月08日
隅の老人
翻訳道楽から届いた「隅の老人」の短編5編を読み終えた。
この「隅の老人」という名探偵は、ストランドにある小さな喫茶店「ABCショップ」で「いつものチーズケーキ」を食べているなぞの老人で婦人記者ポリー・バートンの話を聞くだけで事件の謎を解いてしまう。手にした紐に神経質そうに結び目を作りながら事件の内容を聞いて、その結び目をほどきながら事件を解決へと導いてしまう。
邦訳は短編集が文庫で2冊出ているが最後に衝撃的な事実が発覚して終わっている。
原作ではその続きがあるのだが今まで未訳だった。今回、翻訳道楽から出た物はその続きとなっている。
前作の衝撃的な事実から20年の月日が経っており新人記者だったポリー・バートンも既にベテランになっている。そんなある時たまたまあの喫茶店に入ると、隅の老人がいつもの席に全く変わらずに紐をいじくり回して座っている。そしていつも通り事件の話をしながら席を一歩も離れずに事件を解決してしまう。
久しぶりにこのシリーズを読んで、相変わらずこのシチュエーションにはわくわくした。話を聞くだけで事件を解決してしまうという安楽椅子探偵の隅の老人の魅力も変わらない。100年近く前の作品だが魅力的だ。このシリーズまだまだ未訳作品がたくさんあるので他の作品もたくさん読んでみたい。
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